金曜日の小さくても大きな一歩の、メッセージ
金曜日の小さくても大きな一歩の、メッセージ

金曜日の小さくても大きな一歩の、メッセージ

「STOP CLIMATE CHANGE」「気候は変えず自分が変わろう!」「時間がない」。9月25日金曜日。東京・霞が関にある国会議事堂前の歩道に、さまざまなメッセージが書かれたプラカードとたくさんのシューズが並びました。

温暖化対策の強化を求める「Fridays For Future JAPAN(以下FFF JAPAN)」の呼びかけによって、この日全国各地で、「シューズアクション」が行われたのです。新型コロナウイルス感染拡大を防ぐためにマーチを行うのではなく、毎日履いている靴とメッセージを地面に並べることで声を上げたのです。

Fridays For Futureは、スウェーデンの環境活動家、グレタ・トゥーンベリさんが毎週金曜日に行った気候ストライキに世界中の若者が賛同して始まったムーブメント。この日、9月25日は「グローバル・デー・オブ・クライメート・アクション」として、154カ国3,500以上の町や都市で一斉に様々なアクションが行われ、日本ではこの『シューズアクション』が全国各地で行われました。

KEEN GARAGE HARAJUKUと、KEENスタッフが
自宅から参加したシューズアクション

私たちも、KEEN GARAGE HARAJUKUでシューズアクションを行ったほか、在宅勤務をするスタッフがSNS上にシューズアクションを投稿、国会議事堂前のアクションにも参加しました。2019年9月、2020年3月の「グローバル気候マーチ」に続き、3回目の行動です。

KEEN GARAGE HARAJUKUと、KEENスタッフが
自宅から参加したシューズアクション


世界の関心ごとに、日本だけ無関心になってない?

世界中が未来を生きる世代の生死に関わる切実な問題として心配している気候危機ですが、日本ではなぜか関心が高いとは言えません。FFF JAPANメンバーがマイクで訴えます。

「僕は時間がないことを実感して、今行動しています。過去最大の台風とか観測史上1位の豪雨とか、そうしたニュースをみて、みんな気候変動に絶対に気づいているはずなんです。」「私たちは、私たちが変わるだけでは何の解決にもならないことを、よくわかっています。だから私たちは、みなさんに呼びかけるのです」。


事実を知れば気持ちが変わる。気持ちが変われば行動が変わる。

みんながなぜここまで切実になっているのか、その理由はどこにあるのでしょう?5年前の2015年。世界はパリ協定で平均気温を産業革命前から2℃以内にすることを約束し、国ごとにCO2削減目標を定めました。これを受けて国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が2018年に報告を発表。1.5℃~2℃に抑えるには、2030年までに世界のCO2排出量を2010年比の45%以上に減らし、 2050年には排出ゼロにしなければならないと報告。それには各国のCO2 削減目標を引き上げる必要が出てきました。

グローバル気候マーチwebサイトより

ところが日本政府はパリ協定時の約束草案のまま2030年度に2013年度比26%削減という目標を踏襲すると発表。これでは目標が達成できません。より詳しく、以前にKEENストーリーでもご紹介させていただきました。

2014年以降世界のCO2排出量は増え続け、今年は世界中で気候災害が多発しています。大きく報道されたものだけでも、オーストラリア史上最悪の森林火災に続き、6月に38℃という過去最高気温を記録したシベリアでも森林火災が発生。アメリカ西海岸のカリフォルニア、オレゴン、ワシントン3州で猛威を振るう山火事は今(10月2 日現在)も延焼中です。

また、今年8月の中国長江上流域の大雨では6,300万人以上が被災し、世界最大級の三峡ダムが危険水位に達しました。日本では観測史上1位の雨量を記録した令和2年7月豪雨で球磨川をはじめ多くの河川が氾濫決壊し、全国で83名もの尊い命が奪われました。

令和2年7月豪雨で被害を受けたJR肥薩線

少し前まで予想や警告だった気候変動は、科学者のシミュレーションを越えて、目の前で起きている気候災害として、私たちの暮らしを脅かしています。


あきらめない声が、やがて世界を変えていく。

こうした気候災害は、今後ますます広がり、甚大な被害が生じる可能性を前にして、アクションの参加者からは、あきらめずに声を上げることの大切さが多く聞かれました。

主催者の一人で、仲間と環境問題に取り組む小野りりあんさんもその一人です。
「みんなの声には価値があると思う。その声に価値がないと思っている人もいるけど、でも実際はあなたの声が届き、集まることで、世界が変わっていくから。ぜひ自分が思っていることを、知識がなかったとしても思いさえあればいいので、それをもっと発信していってほしい。どんなに小さくても変化をもたらすことができる、とグレタさんも言っています。未来のこととか考えたときに絶望や無力感が湧くことが多いけど、私自身も一緒にできる人を見つけたことで行動につながりました」。

会場でFFF TOKYOのバナーを掲げていた大学1年生の田中えりかさんも、こう言います。「アメリカに何年か住んでいました。向こうでは気候変動や温暖化は結構話されていますが、日本はあまり意識が高くないと思い、それがきっかけでFFFに参加するようになリました」。

KEEN GARAGEのスタッフも「このアクションはいいきっかけだと思う。地球を守るためにあなたは何をしますか?というとき、できることから1日ひとつでもいいから行動してみる。おそらくほんの小さなことかもしれないけど、世界中の小さなことの積み重ねが、CO2を減らしていくんだろうなと思う」と語ります。

またKEENと同じく、キャットストリートに店舗を構えるBURTONさんと、Patagoniaさんもこのアクションに参加。

さらに、LUSH新宿店の外壁モニターでは、気候アクションの参加を促す動画が配信されるなど、このアクションがキッカケで、企業・学生を問わない新しいつながりも生まれ始めています。(動画はこちら↓)

気候危機は、地球に生きる私たち全員が世代を超えて解決しなければならない課題です。

KEENは、これからもできることを考え、行動していければと考えています。みなさんもぜひ、友達同士で話したり、こうしたアクションに参加したり、できることからはじめてみませんか。


FEEL GOOD TV Vol.7でもご紹介しています

9月12日、Fridays For Future Japanから奥野華子さんに、『世界気候アクション0925』についてお話をお聞きしました。


▼関連リンク

世界気候アクション0925

Friday For Future

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