東日本大震災から10年。今一度、震災で亡くなられた方々に心から哀悼の意を表し、被災された全ての方々に心からお見舞いを申し上げます。
復興が進んでいるというニュースが報道される一方、まだ解消できていない課題が多い事も事実です。関連死も含めて22,000人近い方が亡くなられたこの震災では、震災遺児・孤児 は1,800人を数え、今なお約41,000人の方が様々な理由から故郷に帰れないでいます。廃炉作業が進む福島第一原発からは今も1日140t もの汚染水が発生し、その作業には今も1日4,000人に上る方が携わり続けています。
あの日以来、多くの人が「いつもの明日が来る」ということがあたりまえのことではない、ことを知りました。そんな中「それならば自分たちで明日を創ろう」と心を奮い立たせ希望を作るために歩き出した、たくさんの人たちがいます。そして、そんな人たちの再建の一歩を支える、専門技術を持ったOPEN JAPANのようなプロボノ災害ボランティア団体も生まれました。この10年間、KEENはそんな皆さんとともに、日本の災害支援と向き合ってきました。
Do the right thing
2004年にスマトラ沖地震が発生したとき、私たちはその年の秋冬の広告予算の全額である100万ドル(約1億円)を災害支援に充てることを決めました。2003年に創立したばかりの小さな会社にとってそれは大きな出来事でした。これをきっかけに、ハリケーン・カトリーナ、中国四川大地震、フィリピン・サマール島支援をはじめとする自然災害支援を続けてきました。KEEN JAPANも東日本大震災を始め、災害大国と言われる日本で毎年のように発生する水害や地震災害と向き合い、被災された方々と、その方々を支えるみなさんのサポートを微力ながら続けています。
これからも、この姿勢と行動が変わることはありません。KEENの創業以来の理念のひとつは『Do the right thing=正しいことをしよう』ということ。人々が苦境にたたされていて我々にできることがあるならば、手を差し出す。その場に出向く。災害支援は『KEEN EFFECT=キーン効果』と私たちが呼ぶこの活動のDNAそのものです。本当に微力ですが無力ではないはず。私たちはそう信じています。
被災されたかたの教訓を受け継いでいくこと
気候危機が深刻になってきた今、これまで以上に自然災害が心配な世界に、私たちは生きています。災害を止めることはできませんが、被害を少なくするために備えたり復興させる手立てを考えることはできます。
今年10歳になった子供は、もう3.11を知らない世代。被災された方々が、尊い命とともに、私たちに大きな教訓を残してくださった事を今一度思い出し、受け継いでいく事、そして、気候変動の一因となっている私たちのライフスタイルも見直し、自然環境を守っていくことも同時に求められています。
社会に少しでもポジティブな変革を
KEENは自分たちを『ブランド』ではなく、『ムーブメント』であると考えています。その根底にある思いは、社会をより良くすることが目的である企業でありたいということ。そして、そんな企業が、当たり前の世の中になるムーブメントを広げていきたいと願っています。
そのためにも、私たちKEENは、これからも自然のすばらしさを享受するだけではなく、一人の市民としてお返しをする、守る、これ以上汚さないために行動していきます。そういった行動がみなさん一人ひとりのライフスタイルを変えていくキッカケにつながって、世界をみなさんとポジティブに変えていけたら。そんな事を、この10年目の日に願ってやみません。
これからも、ますます、チカラをひとつに。