俳優という職業だからこそ、山に登りたくなる―。
そう語る佐藤さんは、山の中で、なにを思い、なにを得るのか。
ご自身のホームマウンテンと呼ぶ日向山で山と向き合い、
自分を見つめ直す時間に同行した。
5年ほど前から登山を始めた佐藤さん。山梨の百名山・日向山での撮影日はあいにくの天候だったが、初めて登山をした時の経験のおかげでタフなコンディションも楽しめているようだ。
「最初の登山は土砂降りの雨だったんですよ。歩いていると体がどんどん熱くなってきて、レインウェアの内側は熱がすごく溜まっているけど、外側は雨で冷たくて。その感覚が初めてだったから全部刺激的で、なんでも楽しかった。だから、今でも雨が降ったとしても楽しいって思っちゃいます」
ソロハイクは自分自身と向き合える。時間の価値が、効率や生産性によって測られがちな現代。佐藤さんは、社会と隔離された自然にひとり身を置きながら、常識の基準を問い直す。
「山では、ゆっくりとした時間を感じるというか、時間にとらわれない練習をするというか。山で急ぐ理由って、雨雲が来ているとか、そろそろ暗くなるとか、環境の変化に自分が対応することがあっても、人間のルールは全然適用されない。それが心地いいんです」
さまざまなことを感じ取れる山での時間は魅力的だが、都会での生活を悲観的にとらえているわけではない。登山に行けない時間も前向きに、都市生活ならではのアウトドアライフを自分らしく探している。
「都会のアスファルトに生えている草も、山に生い茂っている草も、同じ植物じゃないですか。だから、都会には自然が少なくて嫌になる、っていう考え方はしないようにしています。もし、山に登れない日が続いたら、代々木公園みたいな大きい公園で靴を脱いで裸足で歩いてみたり。生活圏内で自然を探して、そこに自分の居場所を見つけることは、普段からしてます」
小気味よく登山道を歩いていく佐藤さんの足元を支えるのは『TARGHEE APEX MID WP(ターギー エイペックス ミッド ウォータープルーフ)』。自身の足の形に合っている、と話しつつ、その履き心地にも触れてくれた。
「『TARGHEE APEX MID WP』は、足の裏の感覚がきちんと伝わってくるタイプのシューズだなって思いました。例えば、ちょっとした岩場とか、木の根っこを踏んだ時とか、重心移動をするうえで、繊細な路面の変化を捉えやすかったです」
山でさまざまなことを考え、感覚をやしなう佐藤さんは、その魅力をどのように表現していきたいのだろう。
「僕、山に登って写真を撮るのがすごく好きで、たまに文章も書いたりするんですけど。地球ってでかいな、こんなにちっちゃい生き物が生きているんだっていう、僕らが日常生活では気づかなくなってしまった当たり前を、友達とか僕のことを応援してくださっている方とかに、写真や文章で伝えられたらいいですね。それを見て、休日は近くの川に行ってみよう、昼休みに公園でご飯を食べてみよう、って行動するきっかけになれたら嬉しいです。もちろん、僕がきっかけで山登ってみたんです!って言われたら、とっても嬉しいですけどね」
撮影当日もカメラを携え、シャッターを切っていた佐藤さん。そのレンズは、水の流れや岩肌、苔など、その日心を惹かれた自然へと向けられていた。
そして最後に、ソロハイクで培った経験をもとにした、その先の生き方を明かしてもらった。
「やっぱりヒマラヤ街道には行ってみたいですね。8,000m級の山に登りたいわけではなくて、名峰の周辺に住んでいる人たちの暮らしを見てみたいと思っています。この2〜3年で、夢はでっかく持とうって思い直したんですよ。その夢は、手が届きそうなところに行けるまで内緒ですけどね(笑)。でも、遠くにゴールを設定してみたら、そこに到達するまでになにをしていけばいいのか少し具体的になってきました。自分は表現の仕事をしていて、多くの人と作ったりするんですよね。それを背負って人の前で作品の思いを話すときに、じゃあ自分自身はなにを考えているのか、自分はどういうふうに生活して、なにを大事にしているかっていう、僕という存在のほうをちゃんと埋めて、ちゃんと満足して生きていこうと思って。自分のなかで大きい目標を立てて、それに向かって邁進している所です」
TARGHEE APEX MID WP
重量:375g(27cm片足)
足元から生まれる、前へ進む力
独自開発の防水透湿素材「KEEN.DRY」を搭載した、ファスト&ライトをテーマに開発された『TARGHEE APEX MID WP(ターギー エイペックス ミッド ウォータープルーフ)』。
軽量で通気性に優れたパフォーマンスメッシュアッパーと、《KEEN.ReGEN》ミッドソールによる優れたクッション性で、足馴染みが良く快適な履き心地を実現。KEENオールテレインラバーアウトソールが地面をしっかりとらえ、どんな路面でも安定した一歩をサポート。軽快に山を登りながら、心地よくスッと前に進める一足。
佐藤 寛太Sato Kanta
1996年生まれ、福岡県出身。劇団EXILEのメンバーとして、映画、ドラマ、舞台など幅広く活躍する実力派俳優。
コロナ禍を機に登山を始め、キャリアは数年ながらもソロでのテント泊縦走や、厳冬期の北アルプス・西穂高岳独標、西日本最高峰・石鎚山の鎖場を踏破するなど、精力的に登山の幅を広げている。さらに海外にも目を向け、北インドのラダック地方で標高3,500mを超える山々を1週間かけてガイドなしで単独登頂した本格派の一面も。山登りを「自分と向き合える瞑想のような時間」と語る、今大注目の気鋭の「山好き俳優」である。