インパクトレポート

2025 私たちのムーブメント

私たちの成果、課題、そして、フットウェアの未来をつくり、地球をより良い状態で次世代へ引き継ぐために、これから取り組むこと。

このレポートは現状の報告だけではなく、私たちの目指す方向性を示すものでもあります。進捗状況を開示し、不足している点を認め、より早く、大きな変化をもたらすために仲間とともに努力することを誓います。

これは、私たちだけでできることではありません。うまくいっていること、課題となっていること、そしてどのようにすればより早く前進できるかを共有する。それこそが「私たちのムーブメント」の価値なのです。

メッセージ

アン・ラディル

KEEN Effect シニアディレクター

KEENは、企業には利益の追求を超えた責任があると考えています。その考えは、製品づくり、事業運営、コミュニティ支援、そして社会課題への取り組みに反映されています。


このレポートを「私たちのムーブメント」と呼ぶのは、進歩は一人では成し遂げられないからです。


企業、パートナー、そしてコミュニティが共に前進し、より高い基準を目指すことで、変化は生まれます。
今年、私たちは事業活動における二酸化炭素排出量の削減、サプライチェーンの脱有害化の継続、そして耐久性とサーキュラリティの向上において着実な前進を遂げました。


その一方で、さらに改善が必要な領域についても明確に認識しています。
私たちには、まだやるべきことがあります。
そして、その課題に本気で取り組み続けます。

気候変動

環境への影響は、シューズを履く前から

どれだけ配慮してものづくりをしても、シューズの製造は地球環境、特に気候に影響を与えます。私たちは2021年から温室効果ガス排出量の測定を続けています。現状を知らなければ、改善することはできないからです。

2025年、KEENが所有・運営するすべてのオフィスや施設で、使用電力の100%を再生可能エネルギーでカバーしました。
※日本では一部店舗(2026年6月現在)
しかし、気候変動における最大の課題はサプライチェーンにあります。原材料の調達から製造、輸送に至るまで、シューズづくりに関わる工程が温室効果ガス排出量全体の97%以上を占めています。
KEENは創業30周年を迎える2033年までに、1,000足あたりの排出量を45%削減することを目標に掲げています。
その実現に向けたロードマップは、部門を超えた従業員、すなわちKEENersの協力によって策定されました。

66%

スコープ1排出量(自社所有・運営施設からの直接排出)を削減(2021年比)

8%

スコープ3(サプライチェーンおよびバリューチェーンの活動)の原単位ベースで削減(2021年比)

製品

長く残る環境負荷は
いらない、
長く履けるシューズを
つくる

KEENは創業以来、サステナブルなシューズとは、長く履き続けられるシューズであると信じてきました。シューズは埋め立て地ではなく、人の足元で長く使われるべきだと思うのです。
私たちの〈Consciously Created:地球と人にやさしいツクリカタ〉の考え方は製品づくりにも表れています。耐久性に優れた設計、より良い素材の採用、そして長期的な視点での環境配慮を行なっています。

ひとつの取り組みだけで課題を解決することはできません。しかし、それらを積み重ねることで大きな変化につながります。KEEN.FUSION製法は、有害な接着剤や溶剤を使用せずにアッパーとソールを強固に接着する独自技術です。2025年には、KEENが製造したシューズの10%以上に採用されました。

また、私たちは環境負荷の削減にも取り組んでいます。KEENは2018年からPFASフリーを実現しています。PFASは「永遠の化学物質」と呼ばれ、自然環境や体内では分解されません。PFASの使用廃止は大変な道のりではありましたが、達成しました。2014年の移行開始以来、製品とサプライチェーン全体で使用されるPFASを約106,000kg削減しました。

サーキュラリティ

廃棄物削減への挑戦に終わりはない

サーキュラリティとは、シューズをより長く使い続けてもらい、廃棄物を減らすことです。
SeekやRoamのようなトレイルランニングシューズは、より長持ちするアウトソールの革新を取り入れた耐久性の高い製品です。また、KEEN CAREプログラムを通じて、お客様がシューズを手入れし、修理しながら長く愛用できる環境づくりに取り組んでいます。

廃棄物削減への取り組みはそれだけではありません。2025年には、KEENシューズに新たな価値を与えるプログラム「RE.KEEN」を新たなパートナーとともにリニューアルしました。※
リニューアルしたプラットフォームで、履かなくなったシューズを次の人へつなぎ、より長く使い続けてもらうことで、環境への負荷を減らしていきます。
※日本では未実施(2026年6月現在)

サプライチェーン

KEENの強み、それは自社でシューズをつくっていること

KEENが他と異なるのは、何を作るかだけでなく、どのように作るかにあります。私たちはフットウェア業界では珍しく、自社工場を所有・運営しています。これにより、より良い取り組みを迅速にテストし、学び、サプライチェーン全体に広げることができます。

タイ、ドミニカ共和国、アメリカに自社工場を3拠点持ち、KEENの全製品の27%を生産しています。2025年には、米国工場「KEEN American Built」がケンタッキー州シェパーズビルの物流センター隣接地に移転し、国内生産の拡大とカーボンフットプリントの削減を責任ある形で進めています。この取り組みはニューヨーク・タイムズでも取り上げられました。輸送面だけで、この移転により年間約2,800トンのCO₂排出削減が見込まれています。

27%

自社が所有・運営する工場で製造されるKEENシューズの割合

20

8カ国にわたる委託製造工場の数

コミュニティ

善い行いを引き継いでいく

私たちがシューズをつくるのは、変化を生み出すためです。家族経営であるからこそ、利益を「地球をより良い状態で次世代へ引き継ぐ」というミッションに還元することができます。

2025年、世界88のコミュニティパートナーに対し、総額324万ドル(約5.1億円)の現金助成と製品寄付を実施しました。Conservation AllianceやRunners for Public Landsを通じた土地保全、気候変動への働きかけを支援するProtect Our Winters(POW)とのコラボシューズ「Whyser POW」の発売、そして世界各地での自然災害支援にも取り組みました。
LAの山火事が南カリフォルニアを襲った際には、相互支援団体へ3万ドル(約470万円)を寄付し、約15,000足のシューズをKEENersチームとともに1週間かけて届け、必要な人に必要な靴が渡るよう尽力しました。

カルチャー

働く場所、だけじゃない

KEENでは、従業員のことを「KEENers」と呼んでいます。一人ひとりに年間最大40時間の有給ボランティア休暇が与えられ、地域社会に貢献する時間を大切にしています。(日本では年最大16時間)
2025年には3,489時間のボランティア活動を記録しました。KEENで働く上で最も誇りに思えるのは、言葉だけでなく行動で示せることです。

3,489

2025年にKEENersが世界で記録したボランティア時間

20

有給ボランティア制度を会社のポリシーとして導入してからの年数

進捗状況

一歩一歩積み重ねて、
私たちは進み続ける

今年は着実な前進を遂げた一方で、達成できなかった目標もありました。結果に向き合うことが、次の一歩を踏み出す出発点です。だからこそ、私たちは目標を設定します。先を見据え、そこへ向かってできる限りのことをしていきます。

2020年に多様性に関する目標を設定しましたが、2025年時点では完全には達成できませんでした。BIPOCの代表比率とリーダーシップ層における女性比率は前年比で改善しましたが、目標には届いていません。2030年の目標も変わらず、採用・育成・定着への投資を続けています。

溶剤削減目標も未達となりました。溶剤はシューズの接着や洗浄において深く根付いた素材であり、その排除には新技術・新工程と、十分な時間が必要です。この取り組みを続けていきます。

GOAL 01

溶剤フリー製造

目標

20%

結果

11%

GOAL 02

US本社におけるBIPOC代表比率

目標

20%

結果

17%

GOAL 03

ディレクター職以上の女性の比率

目標

50%

結果

36%

GOAL 04

再生可能電力100%

目標

100%

結果

100%

GOAL 05

全製品PFASフリー

達成年

2018

GOAL 06

1足あたりのカーボンフットプリント削減

結果

2021年比8%削減

私たちのムーブメント

まだやるべきことがあります。私たちが解決を目指す課題は、一社だけでは乗り越えられないほど大きなものですが、企業・パートナー・コミュニティが共に前進することで、進歩は生まれます。学んだことを共有し、業界を超えて連携し、前進し続けることで、本当の変化は可能だと信じています。

共にKEEN Effectを起こしてくれて、心からありがとう!