都市を歩くことは、移動ではなく観察――
琉花さんにとって街は、日々変化する風景であり、
その一瞬をすくい取るために歩き続ける場所でもあります。
光や影、風の気配。
偶然訪れるその瞬間を捉えるために、
身体は自然と街の中を巡り、
歩くことで、見えてくるものがある。
その感覚が、次の一歩へとつながっていくのです。
街を歩くことは、感覚をひらくこと
琉花さんにとって、街を歩く時間はインスピレーションを吸収するための時間です。景色を見て感じたり、空気を受け取ったり。モデルとして、写真家として、日々さまざまな現場に立つ中で、街を歩くことが感覚を整え、次の仕事への土台を作っていきます。
「インスピレーションを受け取るというか、吸収する時間かな。景色で感じたり、空気を感じたりとか」
撮ることと撮られること。そのふたつの視点を自然に行き来していることも、街を歩く時間が支えています。撮る側と撮られる側という意識の切り替えは、自分の中ではあまりないといいます。シームレスに行き来できるのは、歩きながら感覚を研ぎ澄ませてきた時間の積み重ねかもしれません。
一瞬の光を、逃さないために
写真を撮るとき、琉花さんがあらかじめ被写体を決めることはほとんどありません。光の差し込み方、風が吹いた瞬間、たまたま入ってきた影。目の前に現れたその瞬間を逃さないために、常に準備しながら歩いています。
「光だったり、影だったり。風が吹いた一瞬とか、そのときに見えたものをそのまま切り取れたらなと思って撮っています」
だからこそ、コンパクトカメラは街を歩くときも手放さないようにしています。バッグにしまわず、手に持ったまま歩くこともある。シャッターチャンスは、準備していない瞬間に訪れることを知っているからです。
「コンパクトカメラは、できるだけ持ち歩いています。きれいだなと思ったら、すぐ撮れるように」
都市の中にある、自然の気配
自然は、必ずしも山や森の中だけにあるものではありません。街を歩いていても、風が吹く瞬間や雨の空気の中に、確かな自然の気配を感じることができます。
「風が吹いた瞬間とか、雨の空気とか。そういうものも自然だと思うんです」
雨の日、たとえ外に出られなくても、窓から見える景色やしっとりした空気の質感が、それだけで被写体になる。ある嵐の撮影日、土砂降りの中でスタートした仕事は、最初こそ「最悪」と思ったものの、終わってみれば全員が「雨で良かったね」と口をそろえたといいます。
「雨でしか撮れない景色とか、写真の色味が撮れたのは面白かったです」
天気の変化を憂鬱に感じるのではなく、被写体としてもファッションとしても、ポジティブに受け止めていく。その姿勢が、琉花さんの写真に独特の空気感を生んでいます。
歩くと、思考がほどける
仕事で疲れたとき、何かに行き詰まったとき、琉花さんはよく散歩に出かけます。目的はシンプルで、「あそこのアイスクリームのところまで行って帰ってこよう」くらいのことでいい。ただ歩くだけで、さっきまで悩んでいたことが整理されていき、戻る頃には「こうしてみよう」という気持ちになっていることが多いといいます。
「気分転換に散歩に行くことが多くて。歩いているうちに、さっきまで悩んでいたことも整理されていく感じがあります」
カメラを手に持って歩くとき、音楽を聴きながら歩くとき、今日はあそこまで歩いてみようと目的を決めて歩くとき。何かを意識することで身体が動き出し、思考が自然とクリアになっていく。歩くことが、琉花さんにとって思考を整える手段のひとつになっているのです。
都市は、見方で変わる
東京で生まれ育った琉花さんにとって、スクランブル交差点もネオンも、長年見慣れた日常の風景でした。しかし、海外の写真家が切り取った東京の写真を見たとき、その景色が突然、別のものに見えたといいます。
「スクランブル交差点とかも、普段は何も考えずに歩いてるけど、写真で見るとすごい景色だなって思うんです」
自分では当たり前すぎて素通りしてしまう場所が、他者の視点を通すと一気に風景になる。その気づきが、自分の目で街を見るときの解像度を少しずつ変えていきました。歩くたびに、見慣れたはずの景色が新鮮に映る瞬間が増えていきます。
「また歩いた時に、ここかって。いつも通り過ぎちゃうけど、やっぱり自分の目で見ると、あらためてすごい景色だなって思います」
足元が、感覚を支えている
そうした歩行の質を支えているのが、足元の存在。琉花さんがシューズに求めるのは、見た目の好みと履き心地の両立です。アウトドアシューズだからフィールドだけで使う、という発想はなく、犬の散歩でも普段の街歩きでも、機能とファッションが自然に重なるものを選んでいます。
「わたしの場合、街を歩くことがメインなので機能を求めて買うわけじゃないけど、見た目が好みでさらに履き心地や歩き心地も良ければ、アウトドアシューズもファッションとして履けますね」
今回着用した『TARGHEE IV MID WP(ターギー フォー ミッド ウォータープルーフ)』については、最初に手に持ったときの軽さに驚いたといいます。履き口の締め付けがなく、足首へのストレスもない。幅広の設計が足を自然な形に収めてくれるため、長時間歩いても疲れが蓄積しにくい感覚です。
「締め付けもなくて、本当に歩きやすくて。長く歩いてもストレスがない感じでした。シンプルなデザインだけど、要所にピンクが使われていて、それがポイントになっていてかわいいんです。普段のコーディネートにも合わせやすくて、アウトドアシューズって感じがしないのがいいですね」
軽量登山にも対応するソール性能を持ちながら、日常に溶け込むデザインと履き心地。接着剤を使わないサステナブルな製法で作られている『TARGHEE IV』シリーズ。特に環境負荷を低減したモデルであることも、街と自然を行き来する琉花さんの感覚に自然と響いています。足元に余計な意識が向かない分、視線は自然と街の細部へとひらいていきます。
その先に残るもの
フィルムで写真を撮り続けているのは、後から見返す喜びがあるから。撮影時には気づかなかった光の入り方や、偶然映り込んだ人物の表情。現像して初めて、自分が何を見ていたのかを知ることがあります。
「フィルムで撮っているので、後から見返して“こんな景色もあったんだ”って気づくことが多いです」
未来に残したいのは、特別な場所や記念の瞬間ではなく、日常の何気ない瞬間だといいます。誰かと話しながら歩いた街の空気、ふと目に入った光の色、風が吹いた一瞬。それらは記録しなければ消えてしまうけれど、フィルムに焼き付けることで、時間を越えて誰かの手元に残り続けます。
「未来に残したいのは、特別なものじゃなくて、日常の何気ない瞬間です」
歩くことで見えてくるものがある。その積み重ねが、琉花さんの次の一歩を作っていきます。
琉花Luka
モデル/写真家。広告・雑誌・MVなどで幅広く活動する一方、写真家として都市の風景を撮り続けている。東京を拠点に、日常の中にある光や気配を捉えながら、移動と観察を通して独自の視点を育んでいる。
TARGHEE IV MID WP
重量:495g(24cm片足)
歩くほどに、街が見えてくる一足
軽やかな履き心地と、足にストレスを残さない設計が特徴の『TARGHEE IV MID WP』。幅広設計によって足を自然な形に保ち、足首をやさしく支えるミッドカット構造が、長時間の歩行でも安定した履き心地をもたらします。軽量で耐久性に優れたナイロンアッパーと、多方向ラグパターンのラバーアウトソールで、都市のアスファルトからトレイルまで幅広く対応。防水透湿素材「KEEN.DRY」により、水の侵入を防ぎながら靴内のムレを逃がし、雨の日の日常使いにもおすすめ。機能性を備えながらも主張しすぎないデザインは、日常のスタイリングにも相性抜群。さらに、接着剤を使わない製法を採用した、TARGHEEコレクションの中で、最も環境負荷を低減したモデルです。街を歩く日も、自然の中に踏み出す日も、サステナブルな一足が足元を支えます。