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火はいきもの。
家族のように接し、つきあっていく。

猪野 正哉Masaya Ino

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焚き火との距離感は人間関係と似ている。
こんな風に話す猪野さんの肩書きは焚き火マイスター。
暖をとる。仲間や家族と炎を前に語らう。自分と向き合う。料理をつくる。
アウトドアアクティビティのひとつとして定着した焚き火には
人の想いの数だけ、さまざまな愉しみ方がある。
火を囲むというシンプルな行為に魅せられた焚き火マイスターに聞く、
焚き火の”奥深き世界”とは。

焚き火は”日常の延長”にして
”人生の相棒”

現在地は「たき火ヴィレッジ〈いの〉」(千葉県千葉市)。出迎えてくれたのは”焚き火マイスター”として知られる猪野正哉さん。造園業を営んでいた実家の私有地を整え、焚き火やキャンプを楽しむ拠点として、猪野さん自らがつくり、メディアの取材やイベントの開催時のみ使っている、プライベートアウトドアスペースだ。

散策してみると、雑木林の中にアウトドア道具が揃う小屋(アトリエ)があったり、来訪者同士が語り合うことができる東屋があったり……本日の舞台、焚き火スペースがある。樹木の枝葉の隙間から太陽の光が溢れ、鳥たちの声が心地よく聞こえ、春気分が盛り上がってくる。

「今日は僕にとって日常の延長にある焚き火を皆さんと愉しみたいと思います」

こんな風に話すと、手慣れた様子で猪野さんは焚き火の準備をはじめた。日本で唯一焚き火を生業として10年、聞けば公私で年間数十日は焚き火とともに暮らしを進めているそうだ。

なぜ焚き火マイスターに? こう尋ねると、「10代の頃、モデルの仕事をやり、そこから雑誌のライターを始め、その延長上でアパレル関係の新規ビジネスにチャレンジするも、うまくいかず。公私で不幸が続いていた時期、友人に誘われた山登りがきっかけでアウトドアに興味を持つようになったんです。雑誌時代の縁で山登りのルポライターを始め、なかでも肌にあったのが焚き火でした。あれよあれよという間にアウトドアブームも追い風になり、気づいたら焚き火が生業になりました」と、猪野さん。

焚き火の基本のキ、
ルールやマナーを守れば”より豊かに”

ストーリーを描いてやるべきことを逆算する。「焚き火の準備から片付けまで、まずはシミュレーションすることが大切です」と、猪野さん。人数と場所次第で持つべき道具や焚き火台の大きさが決まり、焚き火とうまく付き合うには一定の距離感が必要になる。焚き火は時間とともにさまざまな表情を見せるので、それに見合った対応をするのが正解というわけだ。

「火は家族のように接してあげればいいんです。燃え始めは構ってあげないとすぐに消えてしまうので、赤ん坊の面倒を見るように、よくあやしてあげる。火がついても、しっかり見守ってあげないと思春期の子供のように荒れて、爆ぜることもある。出来の悪い薪がいたとしても見放さず、根気よく面倒をみ続けてやれば、そのうち燃えて親離れしていく。一人前になれば放っておいても仕事をこなし、一家の大黒柱として奮闘する。最後は穏やかに燃える姿を見守り、余生を楽しんでもらえるようにそっとしておく。灰になったら、残されたものを拾い上げ、きちんと後始末をしてあげる。家族との関係性と同じように、焚き火の状態を見極め、火に対する配慮や気配りができるようになると、アウトドアアクティビティのひとつとして焚き火と上手に付き合えるようになりますよ」

こんな風に”焚き火のイロハ”を説明してくれる猪野さん。日々の練習や過去の失敗の積み重ねがあってこそ、上級者への道は開かれるのだなぁと、なるほど納得。猪野さんの想いを知るにつけ、文化としての焚き火の未来に想いを巡らすことができた。

「自分がやられて嫌なことは相手にもしない」という考えをベースに、焚き火のルールやマナーについても猪野さんは説明してくれた。

「直火エリア以外で火を焚くなら、焚き火台と防火マットは必須です。自然を楽しむのに自然を汚していたら、それは違いますよね。当たり前のことだけれど、きちんとルールやマナーを守ってはじめて、焚き火時間はもっと愉しめると思っています。暖をとる、仲間や家族と炎を前に語らう、自分と向き合う、料理をつくる……焚き火の愉しみ方は人の想いの数だけ、さまざまにあります。今日はモーラナイフを使ってフェザースティックを作り、スギの葉や麻紐をほどいて使うスムーズな焚きつけをお見せしましたが、着火ひとつとってもその方法はさまざまにあるので、愉しみながら焚きつけをしてもらいたいですね。薪の組み方も井桁型だったりクロス型だったりニューティピ型だったり、バリエーションは多くあるところも焚き火の面白さです。興味があればぜひ、僕の本を読んでみてください(笑)」

機能美に惹かれて。
道具も人も”丁度いい”がいい

雑木林に響き渡る炎のやすらぎを前に、「道具選びも焚き火の醍醐味のひとつですね」と、猪野さん。焚き火初心者の人は、身近な人を参考にしたり、気になるアイテムを使っている人を見かけたら恥ずかしがらずに声をかけて生の商品レビューを聞くことがおすすめとのこと。かくいう猪野さんも、そんな風にして道具選びをしてきたそうだ。道具は消耗品ということを念頭に置き、ちょっとくらい高くてもタフに長く使え、愛着がわく道具選びを心がけてきた。

本日、足元を支えている『TARGHEE Ⅱ MID WP(ターギー ツー ミッド ウォータープルーフ)』の履き心地を尋ねると、「つま先の黒いラバー部分がしっかりしていて、足を守ってくれる安心感がありますね。スニーカーと違い、程よい重量感も足をしっかり守ってくれている感覚になり、好印象です。ローカットで重量感のないシューズも履くけど、アウトドアフィールドで遊ぶときは、しっかり足全体をホールドし、土や泥、岩場でもしっかりグリップしてくれる靴の方が安心感があります。地球環境に配慮しつつ、足元をドライに保ってくれるという機能もいいですね。今回は焚き火をテーマにした取材だけれど、山登りもするので、タフなアウトドアフィールドでもこのシューズを相棒にしようかなぁと思いました。タフな環境に行けば行くほど、長時間履いても疲れない快適な履き心地は大切。その点でいうと、かかとのホールド感とゆとりのある足先を両立した『TARGHEE Ⅱ MID WP』には期待したいですね」

焚き火も終盤戦。穏やかな木漏れ日の中、ハンモックを準備する猪野さん。取材の締めにこんな話を聞くことができた。

「焚き火の魅力は仲間や家族と火を囲み、または一人で自分と向き合いながら、必要最低限の道具で静寂な自然の中で肩の力を抜いて、ゆったり過ごす時間だと思っています。ルールやマナーは決して難しいことは言っていないので、それさえ守れば、誰でも気軽に日常の延長にある豊かな時間を過ごせると、僕は信じています。アウトドアフィールドに訪れ、まずは実践してみる。『なんだ、思ったより、焚き火って簡単じゃん』『焚き火マイスターなんて誰でもなれるじゃん』と笑い話のネタにしてもらえたら本望です。焚き火って最高なんです」

猪野 正哉Masaya Ino

焚き火マイスター/アウトドアプランナー。1975年生まれ、千葉県出身。雑誌『メンズノンノ』の第9回専属モデルを経て、ファッション誌を中心にモデルやライターとして活躍。その後、アウトドア業へ軸足をずらしながら、2015年、実家のある千葉市でプライベートアウトドアスペース「たき火ヴィレッジ〈いの〉」をスタート。キャンプ番組などの焚き火監修を手がけるほか、イベントやワークショップ、講演などの活動に尽力中。テレビやラジオ、YouTube、雑誌、WEBなどの多数登場。著書は『焚き火の本』(山と溪谷社)、『焚き火の道具』(山と渓谷社)、『焚き火メシの本』(ライスパブリッシング)。日本焚き火協会の会長も務める。
https://takibimeister.com/

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TARGHEE II MID WP

ターギー ツー ミッド ウォータープルーフ
カラー:SHITAKE/BRINDLE
重量:488g(27cm片足)

軽量かつコンフォートな
究極のデイハイクシューズ

KEENロングセラーの、LWG認証のヌバックレザー素材を採用したデイハイクシューズ。ゆとりある前足部はシューズ内でつま先を自然に広げ、独自の立体成型ヒールロックがかかとをしっかり固定し、足首へのサポート性を高めます。ミッドソールには、異なる硬度の圧縮成型EVAを組み合わせることで、クッション性と安定性を両立。さらに、中足部のESSシャンクが歩行時のサポート性を高めます。KEEN独自の防水透湿素材〈KEEN.DRY〉が、ムレを軽減しながら足元をドライに保ちます。登山やハイキングに限らず、さまざまなアウトドアフィールドで実力を発揮します。

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