BACK TO FIELD

魚を追いかけた先に、
守りたい景色があった

杉坂ブラザーズSUGISAKA Brothers

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水の量、温度、流れの速さ、透明度――
日々、刻々と、変わりつづける水辺の環境。
そのわずかな変化を読み取りながら、
プロフライフィッシャーの杉坂ブラザーズは、
世界中の魚に挑みつづけてきた。
でもいま、ふたりが見つめているのは魚だけではない。
釣り場の変化、減っていく魚の気配……。
フライフィッシングのカルチャーを広め、
このフィールドを次の世代へつなぐために
ふたりは今日も水辺に立つ。

自然とともに育った、原体験

山や田畑に囲まれた町に生まれ育ったふたり。幼いころから、自然は遊び場そのものだった。
「ボーイスカウトに入っていたので、キャンプや登山など、日々さまざまな遊びをしていました。30㎞のハイキングや、夜通し走る100㎞サイクリングなんかもやりましたね(渓亮さん)」
しかし、高校へ進むと、次第に自然から足が遠のいていく。転機が訪れたのは、ふたりがアメリカ留学を経て帰国してから。家業を継ぐ流れのなかで、プロのフライフィッシャーである父と同じ世界へと足を踏み入れることになった。

「最初は釣りがあまり好きではなくて。でも必死に練習して思い通りに魚が釣れるようになると、一気にのめり込んでいきました。フライフィッシングが、また自然の中に連れ戻してくれましたね(友大郎さん)」

大きな魚を追って、世界へ

釣りは、季節や天候、水温によって狙う魚が変わる。

「雨で川がダメなら湖へ行くし、地域によって水温も違うので、その時々にベストな魚と場所を見極めます。でもやっぱり大きい魚を狙いたいので、海外まで旅することも多いですね(渓亮さん)」
アメリカ、ベネズエラ、キューバと、訪れた国は数知らず。この日も、オーストラリア・ココス諸島の釣行から帰ってきたばかりだった。
とくにふたりの記憶に強く残っているのが、黄金色に輝く怪魚“ドラド”を狙ったボリビアでの釣行だ。

「当時はあまり知られていない釣り場で、セスナで草原に降りて、そこから原住民とカヌーで入るような場所。しかも黄熱病のレッドゾーンでした(渓亮さん)」
過酷な環境では、予想外のトラブルも起きる。
「ジャングルで水の中を歩き続けるので足はふやけて、靴も壊れてしまって。で、ガイドの靴を借りたら、菌に感染して足に100個くらい穴があいてしまったんです。運よく助かり、ドラドも釣れて、いまでは思い出深い釣行ですが、身にしみる教訓にもなりました(友大郎さん)」

自然を読むことは、身を守ること

土砂崩れ、滑落、ゴルジュ帯での鉄砲水――水辺はつねに危険と隣り合わせだ。その厳しさを身をもって知り、多くの窮地をくぐり抜けてきたからこそ、ふたりの準備に抜かりはない。

「天気は当日だけではなく、その1週間前まで確認します。雨が続いたあとに晴れて、また突然降ると、山が保水できず、鉄砲水が起きやすくなるので(友大郎さん)」
「事前に地形図を確認し、複数のエスケープルートを把握しておくことも大切です。現場では空気の匂いや周囲の音など、五感が役に立つこともありますね(渓亮さん)」

足元は“濡れない、壊れない”が鉄則

こうした危険な環境において、足元の装備もまた極めて重要だ。
「夏は山を6〜7時間登ってから釣りをすることがあるので、登山靴とウェーディングシューズを使い分けています。沢を渡ることもあるし、今日のようなウェーダーを使わない釣り場の場合も水際まで行くので、防水性は欠かせません(渓亮さん)」

過去には、山中で靴のソールが剥がれるアクシデントも経験。それ以来、耐久性も重視し、KEENのトレッキングシューズを愛用するようになった。今回履いた『TARGHEE II WP(ターギー ツー ウォータープルーフ)』の履き心地についても、こう語る。
「防水性が高く、ソールもしっかりしているので、川原や濡れた石の上を歩くときに安心感があります。見た目より軽くて、足さばきのよさにも驚きました。甲からつま先に向かって幅が広いので、足にもよくフィットします(友大郎さん)」

道具としての信頼性に加え、アメリカンカルチャーに親しんできたふたりにとって、KEENはどこか身近な存在でもある。
「家族やみんなで履いて、楽しい時間を過ごせる。そんなフレンドリーなイメージがあります。実際、僕たちの家族はみんなKEENの愛用者です(渓亮さん)」

魚との勝負に、終わりはない

フライフィッシングの本質。それは、生き物との駆け引きにある。
「人の多いフィールドでは、魚は賢くなります。気配を消し、気づかれにくい格好や立ち位置を考え、本物に近い虫を選ぶ。魚の思考を想像し、どう騙すか。その駆け引きがおもしろいんです(友大郎さん)」
釣りにはシーズンがあり、1年のなかでも経験できるタイミングや時間はとても短い。さらにフィールドの状況や魚の数も、年々変わってしまう。

「同じ場所でも毎回まったく違う釣りになる。だからこそ、学びが尽きないんです。60歳、70歳になっても夢中で楽しむ先輩たちが多い理由もわかります(渓亮さん)」

フライフィッシングの楽しさを、
次の世代へ

近年、釣りを始める若い世代が増えているが、長く続ける人は決して多くない。
「魚が年々減っている気がします。思うように釣れない、遠くまで行かないと釣れない。それでやめてしまう人も多い。もっと身近な場所に釣り場があればいいなと思っています(渓亮さん)」
その想いから、ふたりはキャッチ&リリースエリアの整備や魚の放流といった活動に取り組んできた。

「川では魚が生きていける数に限界がある。キャッチ&リリースは強制ではないですが、次の世代にもフライフィッシングの楽しさを味わってもらうため、そうした考え方も広がっていけばいいなと思います(友大郎さん)」
近年は「リバーサイドコーヒー」や「トラウトビール」といったプロダクトを通じ、その活動の輪を広げている。
魚を守り、フィールドを育てる。こうしたふたりのアクションが、水紋のように大きく広がり、フライフィッシングを次の世代へとつなげていく。

杉坂ブラザーズSUGISAKA Brothers

プロフライフィッシャー。愛知県出身。左/兄・杉坂友大郎(ゆうたろう)1984年生まれ、右/弟・杉坂渓亮(けいすけ)1987年生まれ。アメリカ留学を経てフライフィッシングの世界に入り、友大郎は日本人最年少で米国FFIフライキャスティングインストラクター資格を取得。渓亮も同資格を取得している。国内外でのガイドや講習、メディア出演を中心に活動するほか、フライフィッシング専門店「ワールドワイドアングラーズ」を運営。YouTubeチャンネル「SUGISAKA Brothers」では釣行の様子や技術解説を発信し、フライフィッシングの魅力を伝えている。近年は釣り場環境の保全や放流活動、プロダクト開発にも取り組みながら、フライフィッシングの普及にも力を注いでいる。

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TARGHEE II WP

ターギー ツー ウォータープルーフ
カラー:KHAKI/BIRCH(友大郎さん着用)
BLACK/BIRCH(渓亮さん着用)
重量:492g

山でも沢でも。フィールドを横断できる
安心の防水性&タフネス

2005年の登場以来、シリーズの原点として支持されてきた定番モデル『TARGHEE II WP(ターギー ツー ウォータープルーフ)』。「重くて硬い」という従来の登山靴のイメージを覆し、軽快さと安心感を両立。つま先にゆとりを持たせた独自の足型設計や、高い防水透湿性、安定したグリップ力といった現在のKEENのシューズに通じる思想は、このモデルから始まった。濡れた岩場や不安定な路面でも確かな足運びを支え、長時間の行動でも快適さをキープ。登山やハイキングはもちろん、水辺へアプローチするようなフィールドでも、安心して一歩を踏み出せる一足だ。

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